2009.05.02
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あけましておめでとうございます。
遅くなったのですが、新年の挨拶と駄文をアップしに参りましたv
今年も相変わらずの妄想文を続けていけたら…と思ってます。
あと、去年はしげおさんに同人誌デビューをさせてもらったので、今年は自立できるように頑張りたいです!
以下、志摩燐の妄想文になります。
以前志摩燐で書いたシリーズの番外編です。といっても、単独でも読めると思います。短いですが、よろしければそのまま下へお願いします。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
【志摩くんの嫉妬】
鬱蒼とした森で、複数の人影の話し声がしていた。
日はすっかり落ち、月明かりが人影を淡く照らす。キリクの遊環や眼鏡のフレームが光った。
集まったのは、祓魔塾のメンバーである。
「奥村くん、一人じゃ危ないよって」
「そうだよ、兄さん。志摩くんと一緒に」
得意げに後頭部で両手を組んだ少年に、祓魔塾の教師と生徒が心配する。
実地授業の前に組み分けを発表した雪男に、余った燐が一人で任務を行うと言い出したからだ。
「大丈夫だって!」
笑顔で答える燐の頭に、黒い影がぴょんと飛び乗る。
『りん、おれがいっしょにいってやるぞ!』
「そうだな!俺にはクロがいるもんな!」
燐が頭に乗った黒猫に手をやると、クロはその手に頭を擦り付けた。
学園の門を破壊しかけた猫又の姿とは思えない。
その懐きように、ある者は羨ましそうに、またある者は妬ましげに、そしてまたある者はめんどくさそうに一人と一匹を見た。
「燐…でも、本当に危ないよ」
しえみが心配そうに着物の胸元をぎゅっと握る。
「大丈夫だって!心配すんな、しえみ」
二人のやりとりを黙って見ていた志摩は、イラっとした。
この塾のなかで、燐を名前で呼ぶものは少ない。しえみはその少数の一人だ。しかも、燐はなにかとしえみを気にかける。塾に入る前からの友人だと聞くが、仲が良すぎやしないか。
女の子は大好きなはずなのに、柔らかな少女の声が燐との親しさをそのまま表していると思えば、落ち着かない。
キリクを握る手が震え、遊環が音をたてる。
「…仕方ないですね。それなら、奥村くんこれを」
志摩の内心の焦りを他所に、話は進んでいた。
周囲を巻き込み、燐を同じグループに引き込もうとしていた志摩であったが、予想外の方向に流れる。
誰よりもよく兄の性格を知る雪男が、まず燐の説得を諦めた。
燐に紙切れを渡す。
「なんだ、これ」
「手に負えないような事態になったらすぐにこの紙を燃やしてください。僕が駆けつけます」
「わかった」
頷いた燐に、雪男は耳打ちする。
その距離の近さに、また苛立った。
別に燐は自分のものではない。側に行って引き剥がしたくなる衝動を、志摩は堪えた。
そもそも、男兄弟のくせにこの二人の距離感はおかしい。
「志摩、なんやあるんか?」
無意識に睨んでしまっていた。
勝呂の声かけで緩んだ表情に、顔面の筋肉が硬くなっていたことに気付く。
「なんもあらへんよ」
「そうか。そんならええんや」
志摩の目の前で、燐が雪男にもらった紙切れを胸ポケットにしまいこむ。
雪男が任務開始の銃声を放った。
一斉に塾のメンバーが駆け出す。
さて、どうしようか。
ちらりと横を確認すると、仲良く並んだしえみと燐。
まずはあの二人の間に割り込もう。
志摩はひっそりと笑みを浮かべた。
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こんにちは、しもつきです。
最近ぬら孫にハマり、リクオ受(特に昼若を愛でています)なSSを書き散らしています。
たまに、サイトでUPしたREBORNとかBLEACHの後日談的な話が出現しますv
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