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 もうすぐクリスマスですね
 職場でもクリスマス会とかありますが、遠い目をして立ってます。
 今年も、寂しいクリスマスになりそうだなぁ…。

 えと、今日は首リクSSをアップしておきます。
 先日友達と旅行に行った先で買ったお土産からネタを頂きました。
 完全に不完全燃焼です

 見てやるよ。という心の広い方はおすすみ下さい。

 最後になりますが、拍手をぽちっとしてくださった皆様、ありがとうございますv




:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::




 赤と白の糸で寄った恋結びの糸。
 一方を自分に、もう一方を相手に渡すと想いが叶うとか。

 

 それは、どこにでもあるまじない。

 


「リクオ様」

 にこりと笑う毛倡妓に、リクオは首を傾げた。

 

 

 

 


【赤い糸と白い糸】

 

 

 

 

 

 首無は自室であやとり紐の綻びを直していた。
 外から声がかかって返事をすると、障子を開けてリクオが部屋に入ってきた。

「リクオ様?」
「邪魔してごめんね」
「いえ」

 首無は持っていた紐を置き、リクオのために備え付けの茶器で茶を入れる。
 他愛のない話から始まり、茶の残りが少なくなったところで、リクオがズボンのポケットに手を入れた。

「首無、これをもらってくれる?」

 白い糸を編んで太くしたものを渡される。

「これは…?」
「お守り」

 ボクとお揃いなんだ。
 リクオは、赤い糸で編んだ色違いのお守りを取り出した。

「毛倡妓に聞いて作ったお守りだよ。その糸も、彼女にもらったんだ」

 毛倡妓というところで、首無は嫌な予感を覚えた。
 にんまりと笑う彼女の顔が浮かぶのは何故か。
 糸…そういえば、毛倡妓は赤と白の糸を大事に持っていたと思い出す。

「リクオ様…この糸の意味をご存知で?」
「え?詳しくは知らないけど、毛倡妓が大事な人に上げるものだって」

 首無の目が大きく見開く。
 リクオは首無がなぜ驚くのかわからないというふうに首を傾げた。

「本当はその糸で裾を縫ったり、ボタンをつけたりするらしいんだけど…なんか、恋人みたいでしょ?」

 だから、お守りにしたんだ。

「恋人みたいではなく、本来、恋人にするものだと思うのですが…」
「え?」

 ぽつりと呟いた声は、リクオには聞こえなかったらしい。
 聞き返したリクオに、首無はにこりと笑って「いいえ」と言った。

「ありがとうございます、リクオ様。大事にしますね」
「うん」
「このお守りは、他にもあるんですか?」
「ううん」

 首無はリクオの手首を掴んだ。
 その行動に驚いたリクオの茶色の目が見開く。

「そのお守りは私以外には絶対渡さないでください…勘違いする者も多いですから」
「…勘違い?」

 答えずに笑った首無に、リクオは戸惑ったように目を揺らした。

 

 

 

 


「毛倡妓…」

 低く呻くような声に、毛倡妓はビクリと肩を揺らした。
 恐る恐る背後を見れば、腕を組んだ首無が部屋の入り口の柱にもたれかかって立っている。

「首無か…びっくりした」

 毛倡妓は驚きで跳ねた胸を撫で下ろす。
 首無は毛倡妓をじっと見つめたあと、深く長い溜息を吐いた。

「お前な…リクオ様に余計なことするな」
「余計な…?」
「糸を渡しただろう?」
「ああ、あの糸…」

 首無は首肯した。

「なんでよ。リクオ様が興味を持ってる様子だったからあげただけよ」
「だからって、あんなもの渡すな!」

 あんなもの?
 毛倡妓は首無が激高する理由がわからない。

「もしかして、首無、お守りもらったの?」

 首無は無言だったが、その頬がうっすらと色づいている。

「あれは、想い合う男女が持つものだろうが」
「いいじゃない。首無、リクオ様のこと大好きなんだから」
「そ―――っ」

 ああ、なるほど。
 毛倡妓はようやく納得した。
 首無は怒っているわけではなく、照れているらしい。

「よかったわね。リクオ様に恋結びの糸もらえて」

 口を開くが何も言葉にならずそっぽを向いた首無に、毛倡妓は手のかかる弟を持った気分になった。

「私に感謝してちょうだい」

 首無は毛倡妓をキッと睨んだ。
 しかし彼女はにこにこと笑うだけで。
 この恥ずかしさなんて伝わっていないのだろう。

 首無は溜息を吐く。
 懐に入れた白いお守りが暖かいような気がした。

 

 

 

 


「リクオ様には、特別な人に渡してくださいとしか言ってないんだけどねぇ」

 これからの展開を思って、毛倡妓は部屋で一人楽しそうに笑った。

 

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無題

愛読させていただいてもよろしいですか?

すごく好きです。この小説
レン URL 2010/12/23(Thu)11:21:15 編集
Re:無題

本当ですかっ!?すごく嬉しいですv
ぜひぜひ、また読んでやってください。

【2010/12/25 00:16】
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