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ひそかに、やまつな強化月間を実施中。
でも、ネタが浮かばなくて、試しに書いてみた。
以前映画ネタで書いたごくつな(忍と主人)のやまつなバージョン…といっても、全く違う話です。一応、同じ設定でいくつか話を考えてるので続くといいな。
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「山本…、今までありがとう」
「ツナ…」
ふわりと綱吉は笑った。
どんなに大人たちに注意されても直そうとしなかった山本のツナに対する呼び名が嬉しかった。
ダメツナと呼ばれて。
蔑まれて。
本当のことだから仕方ないと諦めていた自分を、山本だけが認めてくれていた。
いつも、身体を張って護ってくれていた。
大好きな、親友。
これでお別れだと思うと、涙がこみ上げてくる。
耐えようとしたけれど、無理そうだった。
少しでも涙を乾かそうと、空を見上げる。
満点の星と、地上の星…ホタル。
「城の中にこんなところがあるなんて知らなかったよ」
山本に背を向けて話す。
「俺の…というか、忍仲間の秘密の場所だからな。でも、ツナは特別だ」
特別。その言葉の響きが好きだ。
綱吉にとっても、山本は特別に大事な存在だ。
「俺、一週間後に隣国に行くことになったんだ」
人質なんだよ。
戦争をしないための。
それでも、避けられない戦だっていうのは知っているから、殺されに行くんだ。
言葉を飲み込んで、綱吉は思った。
言わなくても、山本は知っているはずだ。
山本が綱吉の護衛を務めるのと同時に、間者の役目を担っているのを綱吉は知っている。
「山本、さよならだよ」
最後に、振り返って笑う。
うまく笑えただろうか。
そのまま去ろうとした綱吉だが、腕をつかまれ引き留められる。
「…そんな顔で笑うんじゃねぇよ」
ぐっとつかまれた腕に力が入る。
「殺させたりしない」
「山本?」
「絶対、助けに…迎えに行くから」
山本は太陽のような笑顔で言った。
それは、綱吉の大好きなものではあったが、言われた内容に心が沈む。
「…できない約束はいらないよ」
期待させないで。
覚悟を決めさせて。
綱吉は、泣きそうに顔を歪めた。
山本が優しいのは知っている。
だけど、だからこそこの場面だけはそんな約束いらない。
突然、腕を引き寄せられる。
気付けば、黒い装束に包まれていた。
頭上から山本の声が降ってくる。
「半端な覚悟で言ってるわけじゃねぇよ。ツナは俺の大事な…友達…だから」
「…ありがとう、山本。でも、山本が命をかける必要はないんだよ」
いままでも、たくさん迷惑をかけた。
綱吉を護るために、たくさん傷ついたはずだ。
それでも、綱吉に明るい笑顔を見せる。
「山本はもう、解放されていいんだ」
「違う!ツナは俺の友達じゃないのかよ?解放とか、そんな俺が義務で側にいたような言い方はやめろよ」
珍しく激昂した山本に、綱吉は目を見開く。
「…ごめん」
「ツナ…、俺、本当にお前が好きだよ。だから、失いたくない。必ず、何に変えても護るから」
「…うん…」
だけど、そのために、山本に傷ついてほしくないんだ。
それを伝えたいけれど、山本の言葉が嬉しくて。
何も言えなかった。
「ツナ、今までだって俺ら最強だっただろ?」
城下の子供たちと遊んだことを指して、山本は重い空気を吹き飛ばすように笑った。
綱吉の心を読んだように、山本の言葉はタイミングが一致した。
「そうだね。二人なら、なんとかなるね」
山本はそっと、綱吉の身体を放す。
「約束だ、ツナ」
「うん」
指を絡ませた、夏の夜。
ホタルの命にかけて誓う。
この約束は、きっと永遠に。
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ホタルって、儚げでいいですよねー。
ホタルと約束を絡めた話を書いてみたかった。儚いのに、ずっと心に残る約束をイメージしてます。
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最近ぬら孫にハマり、リクオ受(特に昼若を愛でています)なSSを書き散らしています。
たまに、サイトでUPしたREBORNとかBLEACHの後日談的な話が出現しますv