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 久々にSSあっぷですv
 突発的に浮かんだ内容なので、短めです。

 幼馴染設定…順番はバラバラですが、いつかちゃんとした長編にしたい…(希望)。
 夜→昼の矢印の想いな感じです。

 拍手を押してくださった方、ありがとうございます!




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 妬心がなかったといえば嘘になる。

 家、家族、友人。
 人間の奴良リクオは、生まれた瞬間からいろいろなものを持っていた。

 ぬらりひょんに拾われて、初めてリクオと会った時「どうしてこんな奴が…」と思ったのを覚えている。
 何の力も感じられない、ただ護られてばかりの子供。
 けれど、その目は眩しいほどにまっすぐだった。

 

 

 

 


【ある昼下がりのこと】

 

 

 

 

 

「…もう一度、言ってみろ」

 晴れた天気とは裏腹の、氷のような声が一つ目の耳と心臓を凍りつかせた。

 

 一つ目が妖怪のリクオの姿を見つけたのは偶然だった。
 以前より、一つ目は人間のリクオが三代目を継ぐのに反対だった。
 むしろ、ぬらりひょんと同じ容姿と力を持つ妖怪のリクオこそが三代目を継ぐべきだと考えていた。
 本人にその気がないとはいえ、まだ若い妖怪。
 少し突けば簡単に転がると思っていた。

 

『あなたこそが三代目にふさわしい』

 

 囁いた瞬間、一つ目は妖怪のリクオによって壁に叩きつけられた。

「ぐっ…」

 小さく呻く一つ目を、赤い目が見下ろす。
 ただ静かに怒りを宿すその目に、背筋が震えた。
 恐怖。畏れ。
 と、同時にこれこそが総大将の器だと確信した。

「聞こえなかったか、一つ目。俺はもう一度言ってみろと言ったはずだ」

 目の前で、リクオの口元が緩く吊り上る。
 一つ目は思案したが、リクオの怒りを解く言葉は浮かばなかった。
 しかし、リクオの心の闇を突く言葉ならするりと飛び出した。

「何の力もない人間のリクオ様が疎ましいのではありませんか?」

 リクオの表情が固まった。

「…なんだと?」

 心の深くにある闇を刺激したらしい。
 一つ目はリクオに同情した顔を作り、ここぞとばかりに言葉を続けた。

「力のあるあなたではなく、ただの人間であるリクオ様が選ばれる。理不尽だと思いませんか?」

 身体を起こした一つ目は、膝についた埃を払ってリクオを見た。

「我々が力をお貸ししましょう」

 遠くで、妖怪のリクオを呼ぶ声が聞こえた。
 無表情だったリクオの口が、にぃと歪む。

「いらねぇよ」

 妬心がなかったといえば嘘になる。
 しかしそれ以上に、欲しいものが妖怪のリクオにはある。

「俺を担ぎ上げたいなら、それこそリクオ自身を差し出すんだな」 

 背中を向けたリクオを、一つ目は鋭く睨んだ。

「…ガキが…」

 

 

 


 背後で憎々しげに呟かれた罵詈に、夜のリクオはうっすらと笑みをはいた。

(馬鹿な奴だ)

 夜が、昼を裏切るなんてこと絶対にあるはずがないというのに。

「夜―――っ!!」

 先程、一つ目といるときに小さく響いていた声が近づいてくる。
 悠々と歩く夜の前に、昼のリクオが飛び出した。

「もう、夜ってばこんなところにいたの!?」

 軽く息を切らした昼が、夜を見上げる。

「昼」
「近くにいたんだったら、返事してよね!」

 膨れた表情をする昼だが、すぐに伝言を思い出して明るい笑顔を向ける。

「母さんが、おやつを作ってくれたんだ。一緒に食べよう」

 差し出された手。
 夜はその手をぎゅっと握り、昼が来た方向に足を進めた。

「ちょ、夜!」

 昼の慌てた声は無視だ。

(本当に馬鹿な奴だぜ、一つ目)

 この手のぬくもりだけがあればいいと願う自分は、総大将の器ではないというのに。
 木漏れ日の差す廊下を、夜は昼の手を放さずに歩いた。

 

 

 妬心がなかったといえば嘘になる。
 しかしそれ以上に、夜は昼自身が欲しいのだと。

 ある昼下がりのこと。
 夜は思った。
 

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文字書き。まんが。
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こんにちは、しもつきです。

最近ぬら孫にハマり、リクオ受(特に昼若を愛でています)なSSを書き散らしています。
たまに、サイトでUPしたREBORNとかBLEACHの後日談的な話が出現しますv
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