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おひさしぶりな、しもつきですv
鴆リクSSあっぷです。
季節外れな花火ネタ
お前らくっついてんのか、くっついてないのかはっきりしろ!と言いたいくらいグダグダです…すいません。あまり考えずに書いたので、しもつきにもわかりません。
妄想をたくましくしてお進みくださいwww
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夜空を彩る花が、来年もまた見れますように。
【花火】
海沿いに屋台が並ぶ。
蒸すような暑さにも関わらず、一年に一度しか見られない風物詩を求めて多くの人が集まる花火大会。
海から少し離れた神社に、近隣の者だけが知る穴場がある。
普段は人の少ない静かな場所で、落ち着いて花火見物ができるここは、恋人同士寄り添う姿も多い。
そこに、リクオと鴆はいた。
「綺麗だねぇ、鴆くん」
「そうだな」
打ち上がった花火に、リクオは歓声をあげた。
木の上で、足をパタパタと揺らす。
「落ちるなよ」
「大丈夫だよ!」
まるで幼子のようにはしゃぐリクオと一緒に、鴆は木に寄りかかって花火とリクオを見上げた。
リクオの薄茶の目に、花火が上がるたびに緑や赤色の光が宿る。
鴆は夜空の花火と同じくらいにリクオの目の光が綺麗だと思った。
「リクオ、咽渇かねぇか?」
「あ、うん」
買ってくる。と、鴆が言えば、リクオも慌てて木から降りようとする。
「ボクも行くよ!」
飲みもの、選びたいから。
鴆はくるりと背後を向いた。
木の上のリクオに向かって手を伸ばす。
「ほら、降りて来い」
「ええっ!?大丈夫だよ」
リクオが遠慮すれば、ほら、と鴆は催促する。
「いいから。オレがやりたいんだよ」
リクオは困った顔で鴆を見つめる。
「ほら」
再度促されて、リクオはしぶしぶ手を伸ばした。
鴆に手が届くと、強引に引かれる。
身体が落ちる感覚に、ヒヤリとして。しかしすぐにしっかりとした腕に支えられる。
「…重てぇ」
ぼそりと呟いた鴆に、リクオはムっとした。
自分がやりたいと言っておいて、その言い草はなんだ。
「あたりまえだよ!」
男子中学生一人分の重さだ。
軽いわけがない。
「…降ろしてよ」
重いというわりに、鴆はリクオをなかなか地面に降ろそうとしなかった。
両脇を鴆の手に支えらたまま、宙にぶら下がる形のリクオは落ち着かない。
「いや、重いってのは、そういう意味じゃねぇよ。成長したなぁってしみじみしてんだ、俺ぁ」
「………」
感慨深そうにする鴆に、リクオは呆れた視線を投げた。
「鴆くん、おじいちゃんみたいなこと言ってるよ」
鴆は複雑そうな顔をした。
そして、いつもより近い距離ににやりと笑って、
「リクオ」
身体がさらに持ち上げられる。
リクオが気付いたときには、鴆の顔が間近にあった。
「ちょ、なにっ!?」
鼻がくっつきそうなほどの近距離に、リクオは暴れた。
「お、おいっ、暴れるんじゃねぇよ!」
鴆も慌てて踏ん張ろうとしたが、間に合わず。
ぐらりと身体が崩れた。
身体に大きな衝撃が走り、二人は倒れこんだ。
ドンっ。
と、大きな音がした。
「わわ、鴆くん綺麗だよっ!!」
今日一番の花火に、鴆の横に寝転んだリクオは歓声をあげた。
幼子のような喜び方に、鴆は苦笑する。
「そういうところは、昔から変わらねぇな」
「だって、こんな大きな花火が見れるなんて嬉しいよ!また来年も来ようね」
にこにこ笑うリクオに、去年はすぐに頷いた。
だけど今年は、そろそろ保護者役を卒業したい。
鴆は上体を起こして座り、リクオを覗き込んだ。
「リクオ」
うん、と。
返事をしたリクオの米神に口付けを一つ。
「来年はこれ以上のことができると俺は嬉しいけどな」
「鴆くんっ!!」
赤くなって抗議するリクオをかわして、鴆は空を見上げた。
鴆という妖怪の命は短い。
この花火のようにあっという間に消えてしまうかもしれない。
それでも、こうして毎年の思い出としてリクオの胸に残るだろう。
一年一年違う思い出をリクオの中に刻みたいと、鴆は思った。