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※しょっぱなから、映画「太平洋の奇跡」のネタバレがあります。嫌な方はスルーしてください。



 昨日、見たDVDが良かったです!
 ヘタリアの影響から相変わらず戦争映画を借りまくっているしもつきですが、竹野内豊主演の「太平洋の奇跡」は良かったです。
 大場大尉がすごすぎる。原作は、アメリカの元海兵の方が書いたとか。読んでみたい気がします。
 最後、大場部隊47人は投降してしまうわけですが、この数字。忠臣蔵と同じだ、と一人「ふぉおおお」ってなってました。いえ、べつに何がどうというわけでもないんですが。
 ああいうのを見ると、歴史好きなくせに近代史を避けていた自分が情けないです。やっぱり今の生活があるのは、祖父母の年代の方々が命がけであの時代を生きてこられたからだし、知らないのは失礼だと思いました。頑張ります、これから。



 と、上では真面目に語ってますが、今日アップするのは、青エクの勝燐です。ええ、腐ったSSです。しかも、意味がよく分からないです。見てくださるという心の広い方はそのままお進みください。




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::





【嫌い嫌い…嫌い?】





 目の前に迫る車に、勝呂はとっさに飛びのいた。
 キキーッと大きなブレーキ音を響かせて、すぐ横を車が走り抜ける。
 己の反射神経を褒めたい。ほっと息を吐いて、勝呂は立とうとした。

「ってぇ」

 車を避けることができたのは奇跡だが、着地の体勢が悪かったのだろう。足首に走った痛みに、勝呂は再び体勢を崩す。

「勝呂!!」

 よく知った声である。勝呂の顔が険しくなった。

「今の危なかったな。大丈夫か、お前」

 面倒な奴に見られたと勝呂は舌打ちをした。
 燐は勝呂の側まで駆け寄ると怪我はないかと問う。それが煩わしくて、ましてや燐に無様な姿を見せたくなくてうるさいと言おうとしたが、突然体が浮いたことにより、出てきたのは驚きの声だった。

「な!」

 怪我をした勝呂を、燐は横抱きにして抱え上げた。
 見上げたすぐそばに、燐の青みがかった目がある。
 いわゆるお姫様だっこである。その体勢に気づいたとたん、勝呂の顔は憤怒に染まった。

「何してんや!」
「何って…足怪我して立てねぇんだろ。保健室、連れてってやるから」
「いらんわ!降ろし、阿呆!!」

 暴れる勝呂に、燐は眉を顰めた。

「じっとしてろよ。落ちるだろ」
「降ろせや!」
「怪我してるくせに何言ってんだ」

 そのまま燐は歩き出す。本当に人一人抱えているのかと思うくらい、その歩みは普段と変わらない。
 そういえば、燐は化け物並みの怪力だった。が、それを甘受するわけにもいかない。
 嫌いな相手に借りを作るのはごめんだ。加えて、この体勢は屈辱でしかない。

「とにかく、これで運ぶのはやめんかい!」
「わがままな奴」

 溜息を吐いて、燐は勝呂を肩に担ぎあげた。










「兄さん…?」

 保健室の前。通りがかりの雪男は、勝呂を俵抱きする燐に気付き足を止めた。

「よぉ、雪男」

 ちょうど良かったと、燐は笑みを浮かべる。

「勝呂の手当てしてやってくんねぇ?」
「勝呂くん、どうしたの?」

 燐の背中にある勝呂の表情は見えない。
 雪男は燐と勝呂のために、保健室のドアを開けた。

「突進してきた車を避けて足を怪我したんだよ」
「ああ、それで」

 燐がそっと椅子の上に勝呂を座らせた。
 そっとというのはあくまで燐の基準で、実際にはかなり乱暴であったため、勝呂は痛みで顔を歪めた。

「…捻挫だね」

 手際良く処置を済ませた雪男は、勝呂に無理はしないように伝えた。

「ありがとうございます、先生」
「いえ。勝呂くん、ここは塾ではありませんから僕を先生と呼ぶ必要はありませんよ」

 雪男の言葉に、真面目な勝呂はそれを否定した。

「塾ではなくても、奥村先生が祓魔師の先生であることに変わりありませんから」
「そうですか」

 燐に担がれたのがよほど不本意だったらしい。素っ気無い口調の勝呂に、雪男は苦笑した。
 燐に視線を移すが、勝呂の不機嫌に気づいた様子はない。
 鈍感な兄の性格をうらやましいと思うべきか、呆れるべきか。

「兄さん、終ったよ。勝呂くんを送って行ってもらえるかい?」
「いいぞ」
「奥村、俺は一人で帰れるから大丈夫や」
「あ?何言ってんだよ。いいから、任せとけって」

 燐は椅子の前で屈むと再び勝呂を抱え上げようとした。

「奥村!!」
「なんだよ」

 勝呂の焦った声に、燐は不思議そうな顔をする。
 二人のやりとりを、雪男は呆れた顔で見た。

「勝呂くんをまた抱えて帰る気なの、兄さん」
「足、使わねぇ方がいいだろうが」

 はぁと雪男が大きな溜息を吐く。

「兄さんは男心ってもんが分かってないんだから」
「んだと!分かるに決まってんだろ!」
「じゃあ、帰りは抱えるんじゃなく、少しくらい痛がっても肩を貸すだけにするんだよ」
「なんでだよ」
「いいから」

 納得できないという顔をする燐に、雪男は押し通した。
 勝呂は複雑な顔をしていたが、保健室を出る際に雪男に一礼した。










 勝呂は燐の肩を借り、寮に向かった。
 時々、足首にズキズキとした痛みが走るが、保健室までの屈辱を思えばたいしたことではない。
 我慢ならないのは、気遣うような燐の視線だ。

「大丈夫か。やっぱり俺が」
「大丈夫や!」

 心配そうにする燐から目を逸らし、勝呂は必死に歩く。
 少しでも歩みを遅くすれば、燐にまた抱えられそうだった。

「着いたぞ」

 燐の声にはっとする。目の前に己の部屋番号があった。
 ポケットから鍵を取り出し、ドアを開ける。

「よっと」

 部屋に入ると、燐は勝呂をベッドに座らせた。力加減を少し学んだらしく、今度はあまり痛くなかった。

「何かしてほしいことがあるか?」

 一人では上手く歩けない勝呂への配慮なのだろう。
 燐は部屋の中をぐるりと見渡しながら言った。

「…お前のカレーが食いたい」

 ぱちりと燐の目が瞬いた。

「カレー?」
「そ、そうだ。今日、俺が食事当番なんやけど、この足じゃ台所に立てへん」

 ああ、そうかと一人で納得して、燐はキッチンに向かう。
 勝呂は背中の汗が冷えるのを感じた。失言というべきか、今のは。
 とっさに言い訳にした食事当番というのは嘘だ。
 普段は食べたい者がそのときに、キッチンに立つ程度で。食堂を利用したり、惣菜を店で買うことも多い。
 冷蔵庫にはカレーの材料くらいは入っているだろうが、普段使わないキッチンに気付かれないか少し不安だ。

「なぁ、お前ら嫌いなものがあるのか?」
「いや、特にないで」

 キッチンから声を張り上げる燐に、勝呂も同じ大きさの声で返す。「そっか」と軽く返事をして、燐は冷蔵庫から目ぼしい材料を取り出す。
 勝呂は己が言った言葉にまだ焦っていた。以前食べた燐のカレーは確かにおいしかった。けれど、なぜまた食べたいと思ったのだろう。そして、それをなぜ頼んでしまったのだろう。

(嫌いなはずや…)

 自分の感情が整理できない。しかし、キッチンから漂う匂いと燐の背中は悪くないと思うのだ。
 一時間後、燐のカレーは完成した。煮込んでいる間に作ったサラダもテーブルに並ぶ。

「…うまい」
「そうか!」

 嬉しそうに笑う燐に、勝呂は複雑そうな顔をする。
 燐が自分に笑いかけるのは嫌いではない。しかし、この顔を燐は他の塾生にも見せるから腹が立つのだ。
 特に、血のつながった弟に関しては。
 この兄弟は互いに過保護すぎる。

「誰にでもそういう顔するんじゃねぇぞ」
「はぁ?」
「そんなに無防備だと食われちまうぞ」
「なに言ってんだよ」

 意味が分からないと、燐は不思議そうな顔をする。言った側から、燐は幼く無防備に勝呂を見つめる。
 思わず吸い寄せられた。それは、自分でも無意識のことで。
 一瞬のことだった。
 二人の唇が合わさる。
 勝呂が唇を離しても燐は呆然としたままで、やがてその目が見開き勝呂を睨み付けた。

「なにするんだよっ」
「なにって…」

 勝呂自身、呆然としてしまっていて、自分が何をしたかなんてよくわかっていなかった。

「…初めてだったんだぞ、俺」

 ようやく己を取り戻した勝呂はクッと笑う。

「俺もだ」

 おかしすぎる。勝呂は声をあげて笑った。

「何がおかしいんだよ」
「いや、別に…」

 燐はライバルであるはずだったのに。
 己の気持ちや言動が予測不能すぎる。
 しかしそれも、一つの仮定に行き着けばストンと自分の心に落ちてきて。

「奥村」
「あ?」
「好きや」
「なっ」

 真っ赤になった燐に満足して、勝呂は食事を再開した。
 ファーストキスはカレーの味だった。


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