2009.05.02
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ずいぶん日にちが開いてしまいましたが、前回【君の名前を呼びたい】の続きの志摩燐です。第二部。あと一部続ける予定です。
アニメの燐が可愛くてヤバイです。すべての子が燐に矢印向いてるとしか思えない。今週の出雲は可愛かったなぁ♪
最近、浮気が激しく、今はヘタリアにも夢中。
なぜか、ニコ動から入って漫画を買ったのですが、抜け出せなくなりました…。まだ自作には至っていませんが、戦争映画を借りまくってます(今まで苦手で避けてたのに…萌えって怖い)。
図書館にも足が向いてるんですが、これはアレですかね。ヘタリアのカテゴリーが出来てしまうパターンですかね。
そして。いつも拍手を押してくださる皆様、ありがとうございます!
アニメの燐が可愛くてヤバイです。すべての子が燐に矢印向いてるとしか思えない。今週の出雲は可愛かったなぁ♪
最近、浮気が激しく、今はヘタリアにも夢中。
なぜか、ニコ動から入って漫画を買ったのですが、抜け出せなくなりました…。まだ自作には至っていませんが、戦争映画を借りまくってます(今まで苦手で避けてたのに…萌えって怖い)。
図書館にも足が向いてるんですが、これはアレですかね。ヘタリアのカテゴリーが出来てしまうパターンですかね。
そして。いつも拍手を押してくださる皆様、ありがとうございます!
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志摩は女の子が大好きである。
触るなら、いい匂いのする髪を撫でたいし、柔らかく小さな手を繋ぎたい。
なのになぜ、自分と同じ作りの身体に手を伸ばしたくなるのか。
短い黒髪を撫でたり、硬く骨ばった手を握りたいと思うのか。
目の前で、想い人の髪に触れる男子生徒の手を叩き落してやりたいと志摩は思った。
【君に触れたい】
「奥村、ゴミがついてる」
休み時間。
燐が教室で前の席の男子生徒と話していると、相手が燐の髪についた消しゴムのカスに気付き払ってくれた。「悪い」と礼を混ぜて言うと、ドアにピンクの頭が見えた。
「志摩?」
目立つ色にすぐに声をかければ、志摩が嬉しそうに燐の席に寄ってくる。
「燐、今少しええ?」
志摩はちらりと男子生徒を気にした。
その視線をどう捕らえたのか、燐と話していた生徒は「奥村、便所に行ってくる」と席を立った。
空いた椅子に、志摩が座る。
「で、志摩。なんか用か?」
志摩はシャツの胸ポケットから細長い紙を二枚取り出した。
「燐、映画見に行かへん?」
紙に印刷された文字に、燐の目が輝く。
話題のアクション映画だった。
迫力のあるCMがここ最近テレビで流れている。面白そうだとは思ったが、少ない小遣いを減らすことはできず諦めていた。
「チケットもらったんやけど、誰も行かんのや。燐、俺と一緒に行かへん?」
タダ、となれば話は別だ。
「行く!」
即答した燐にチケットを渡す。
「楽しみやわぁ」
「俺も!」
満面の笑顔を見せる燐に、志摩は優しく微笑む。
その手を伸ばして、燐の髪をくしゃりと撫でた。
「わっ」
力が入りすぎて髪が乱れてしまった。女の子だったら、怒られるだろう。
やりすぎたと思ったが、燐に怒った様子はない。
そして気付く。燐は女の子ではない。
「かわええなぁ、燐」
「な!んなわけあるか!」
怒る燐に志摩は声を出して笑う。
その顔がまるで恋人を見るようだと違和感を覚えたのは、トイレに立って戻ってきた先程の男子生徒だけだった。
本編が終わり、周囲がバラバラと席を立ち始めても、燐は一心にエンディングロールを見ていた。
誰にも邪魔されず、二人だけの空間にいるというだけで満たされる。
志摩は、声をかけようとは思わなかった。燐の横顔をそっと見る。
本編が流れている間、アクションシーンになるたびに、燐の手に力が入っていた。
その反応が子供のようで可愛いと思った。小遣いが少ないと言っていたから、映画にはあまり来たことがないのかもしれない。
チケットをもらったと燐には言ったが、自分で用意したものだ。どうしても燐と二人で出かけたかったし、仲間としてではなく、特別な相手として意識してほしかった。
志摩としては恋愛映画でも別によかったが、というよりそのほうが燐が恋愛を意識してくれるかと思ったが、意識する前に燐は寝そうだと気付いた。
「志摩、帰ろうぜ」
不意にかけられた声に、志摩ははっとする。
燐を見ていたら、いつの間にかエンディングロールも終わっていた。
席を立つ燐の後を、志摩も慌てて追う。
「映画、おもしろかったな?」
「せやな」
惚れた欲目だとはわかっているが、上機嫌に笑う燐が可愛くて仕方がない。
気を抜くと「好きだ」「可愛い」と言いたくなる。
再び「好き」と言っても、友情の意味でしかとられないのがわかるから、しばらくは言わないつもりだ。
自分を男として見てもらいたいのに、これ以上友情を意識させてはたまらない。
「燐。昼食べに行かへん?」
「行く行く!」
映画館を出る直前、志摩は隣を歩く燐の手を攫う。
驚く燐に、甘く笑った。
「さ、行こか」
燐が戸惑った顔で、繋がれた右手を見た。
「手、繋いで行くのか?」
「嫌やろか?」
「嫌っていうか…恥ずかしくねぇ?」
志摩は軽く握っていただけの手に、力を入れる。
痛くはないが、志摩の意図がわからない。
「志摩?」
「俺たち友達やな?」
「そ、そうだな」
友人のいなかった燐は、友達という単語に赤くなる。
それを心底可愛いと思いながら、しかし抱きしめたい衝動を堪えた。
「友達でも、手を握ることはあるんよ」
「そうなのか?」
まぁ、普通、男子高校生はしない。
せいぜい小学生くらいまでか、女子ならするかもしれない。
「じゃあ、勝呂とか子猫丸にもすんのか?」
志摩は答えずににこりと笑う。
文句を言わせないほどに綺麗に笑うから、燐は言葉に詰まってしまった。
通り過ぎる女子たちが、志摩を見て動きをとめ、二人が手をつなぐのを見て赤面して去っていく。
「あの、さ。じゃあ、行こうぜ」
居心地の悪さを覚えた燐が、握られた手を逆に引いて、映画館を出る。
志摩は満足して笑った。耳まで赤くなる燐が本当に可愛すぎる。
出口に立っていたスタッフが二人を見て、不思議そうな顔をする。
燐はさらに恥ずかしそうにして身体を小さくしていたが、志摩の機嫌は上昇していくばかりだ。
「やっぱ、変じゃねぇ?」
「そんなことあらへんよ」
燐の手の温もりを感じて、志摩は大満足だった。
手入れの行き届いた長い髪でもないし、柔らかい手でもない。
それでも、この骨ばった手が愛しいのだと、志摩は握った手に力をこめた。
志摩は女の子が大好きである。
触るなら、いい匂いのする髪を撫でたいし、柔らかく小さな手を繋ぎたい。
なのになぜ、自分と同じ作りの身体に手を伸ばしたくなるのか。
短い黒髪を撫でたり、硬く骨ばった手を握りたいと思うのか。
目の前で、想い人の髪に触れる男子生徒の手を叩き落してやりたいと志摩は思った。
【君に触れたい】
「奥村、ゴミがついてる」
休み時間。
燐が教室で前の席の男子生徒と話していると、相手が燐の髪についた消しゴムのカスに気付き払ってくれた。「悪い」と礼を混ぜて言うと、ドアにピンクの頭が見えた。
「志摩?」
目立つ色にすぐに声をかければ、志摩が嬉しそうに燐の席に寄ってくる。
「燐、今少しええ?」
志摩はちらりと男子生徒を気にした。
その視線をどう捕らえたのか、燐と話していた生徒は「奥村、便所に行ってくる」と席を立った。
空いた椅子に、志摩が座る。
「で、志摩。なんか用か?」
志摩はシャツの胸ポケットから細長い紙を二枚取り出した。
「燐、映画見に行かへん?」
紙に印刷された文字に、燐の目が輝く。
話題のアクション映画だった。
迫力のあるCMがここ最近テレビで流れている。面白そうだとは思ったが、少ない小遣いを減らすことはできず諦めていた。
「チケットもらったんやけど、誰も行かんのや。燐、俺と一緒に行かへん?」
タダ、となれば話は別だ。
「行く!」
即答した燐にチケットを渡す。
「楽しみやわぁ」
「俺も!」
満面の笑顔を見せる燐に、志摩は優しく微笑む。
その手を伸ばして、燐の髪をくしゃりと撫でた。
「わっ」
力が入りすぎて髪が乱れてしまった。女の子だったら、怒られるだろう。
やりすぎたと思ったが、燐に怒った様子はない。
そして気付く。燐は女の子ではない。
「かわええなぁ、燐」
「な!んなわけあるか!」
怒る燐に志摩は声を出して笑う。
その顔がまるで恋人を見るようだと違和感を覚えたのは、トイレに立って戻ってきた先程の男子生徒だけだった。
本編が終わり、周囲がバラバラと席を立ち始めても、燐は一心にエンディングロールを見ていた。
誰にも邪魔されず、二人だけの空間にいるというだけで満たされる。
志摩は、声をかけようとは思わなかった。燐の横顔をそっと見る。
本編が流れている間、アクションシーンになるたびに、燐の手に力が入っていた。
その反応が子供のようで可愛いと思った。小遣いが少ないと言っていたから、映画にはあまり来たことがないのかもしれない。
チケットをもらったと燐には言ったが、自分で用意したものだ。どうしても燐と二人で出かけたかったし、仲間としてではなく、特別な相手として意識してほしかった。
志摩としては恋愛映画でも別によかったが、というよりそのほうが燐が恋愛を意識してくれるかと思ったが、意識する前に燐は寝そうだと気付いた。
「志摩、帰ろうぜ」
不意にかけられた声に、志摩ははっとする。
燐を見ていたら、いつの間にかエンディングロールも終わっていた。
席を立つ燐の後を、志摩も慌てて追う。
「映画、おもしろかったな?」
「せやな」
惚れた欲目だとはわかっているが、上機嫌に笑う燐が可愛くて仕方がない。
気を抜くと「好きだ」「可愛い」と言いたくなる。
再び「好き」と言っても、友情の意味でしかとられないのがわかるから、しばらくは言わないつもりだ。
自分を男として見てもらいたいのに、これ以上友情を意識させてはたまらない。
「燐。昼食べに行かへん?」
「行く行く!」
映画館を出る直前、志摩は隣を歩く燐の手を攫う。
驚く燐に、甘く笑った。
「さ、行こか」
燐が戸惑った顔で、繋がれた右手を見た。
「手、繋いで行くのか?」
「嫌やろか?」
「嫌っていうか…恥ずかしくねぇ?」
志摩は軽く握っていただけの手に、力を入れる。
痛くはないが、志摩の意図がわからない。
「志摩?」
「俺たち友達やな?」
「そ、そうだな」
友人のいなかった燐は、友達という単語に赤くなる。
それを心底可愛いと思いながら、しかし抱きしめたい衝動を堪えた。
「友達でも、手を握ることはあるんよ」
「そうなのか?」
まぁ、普通、男子高校生はしない。
せいぜい小学生くらいまでか、女子ならするかもしれない。
「じゃあ、勝呂とか子猫丸にもすんのか?」
志摩は答えずににこりと笑う。
文句を言わせないほどに綺麗に笑うから、燐は言葉に詰まってしまった。
通り過ぎる女子たちが、志摩を見て動きをとめ、二人が手をつなぐのを見て赤面して去っていく。
「あの、さ。じゃあ、行こうぜ」
居心地の悪さを覚えた燐が、握られた手を逆に引いて、映画館を出る。
志摩は満足して笑った。耳まで赤くなる燐が本当に可愛すぎる。
出口に立っていたスタッフが二人を見て、不思議そうな顔をする。
燐はさらに恥ずかしそうにして身体を小さくしていたが、志摩の機嫌は上昇していくばかりだ。
「やっぱ、変じゃねぇ?」
「そんなことあらへんよ」
燐の手の温もりを感じて、志摩は大満足だった。
手入れの行き届いた長い髪でもないし、柔らかい手でもない。
それでも、この骨ばった手が愛しいのだと、志摩は握った手に力をこめた。
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