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 休みの日って、なんでこうも予定通りにいかないんだろ…。
 予定ではSSも昨日か一昨日にはアップできていたはずなんですが。



 えー、初の青エクSSです。
 また新ジャンルに手を出してしまいました。
 ぬらとか恋戦記とかやりたいことはいっぱいあるのに、新ジャンルです。
 だって、可愛いんです、燐が。志摩くんが愛しいんです。
 萌投下のうちに書くしかないだろ。

 ただ、残念なことに志摩くんの京都弁は全くのでたらめです。
 だって、わからないんだもの。
 そして、出てくる悪魔は確実にアニメの影響です。ヒネリがなくてすみません。



 それでも、いいよとおっしゃる心の広い方はお進みください。
 志摩燐三部作の一部です。



 ↓




:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::






 人気のない教室。
 窓から入り込む夕焼けが教室の壁に映り、室内は薄いオレンジ色に染まっていた。
 机を挟んで向かい合う二人。その距離がいつも以上に近い。
 青みがかった黒い瞳に、己の緊張した姿が映っている。
 不思議そうに見上げてくる燐に、志摩は渇く口を動かした。

「奥村くんが好きや」
「俺も志摩が好きだぞ!」

 にかっと歯を見せるその笑顔に、志摩は己の失敗を悟った。










【君の名前を呼びたい】










 鬱蒼とした森。
 木々が揺れる音の中に、時々獣のうめき声が聞こえていた。
 肌をなぜる風は生暖かくて。
 ただの森にはない何とも言えない不気味さがある。

「なんだ、ここ」

 雪男に指示された祠の悪魔を祓い、燐は帰参しようとしていたところだった。
 暗い夜道に懐中電灯が頼りなく光る。

「うぅ…はやく帰ろ」

 踵を返したときだった。
 茂みの中から黒い塊が飛び出してきたかと思えば、それは燐を取り囲んだ。
 蛾の大群である。
 慌てて懐中電灯のライトを消し、鞘に収めたままの倶利加羅で薙ぎ払った。
 蛾の一匹一匹はたいしたことはないが、視界を奪う数は何ともし難い。
 燐は森に入る前に渡された紙切れを燃やした。雪男に救援を求める合図である。

「うわっ」

 紙切れを燃やした直後だった。
 腰に何かが巻きつき、ふわりと身体が浮いた。

「ちょ、なんだこれ!」

 宙に浮いた体勢から、悪魔の姿が見えた。
 黒い影がもぞもぞと動く。
 燐に巻きついているのも、その悪魔の触手らしい。
 目を凝らしてみると、悪魔の周囲に蛾の大群が群がっている。
 動いて見えたのは、あの蛾のせいだろう。

「あいつが親玉か」

 虫が嫌いな志摩が見れば、恐怖映像だろう。
 こんな状況だというのに、志摩の青ざめた顔が浮かんで燐は少し笑った。

「兄さん!」

 銃声が響き、燐の身体が落下する。
 とっさのことに受身が取れなかった燐は、地面に叩きつけられた。

「いたたた…おい、雪男!もっと優しく助けろ!」

 突然現れた弟を非難すると、雪男は嫌そうな顔をした。

「なに言ってるの。鈍くさい兄さんが悪いんだろ」

 雪男はちらりと燐を一瞥すると、悪魔に視線を戻した。

「それより、早く立って。来るよ」

 雪男の言葉に、燐も抜き身の倶利加羅を構える。
 次の瞬間、悪魔の無数の触手が二人を襲った。

「ちっ、兄さん!」

 とても訓練生の手の負えるレベルではない。
 攻撃力が高いとはいえ、燐の戦闘経験はせいぜい喧嘩のレベルだ。
 雪男は燐を気にしながら攻撃を避けなければならなかった。
 だから、油断ではない。注意が払えず、隙ができてしまったのだ。

「雪男!」

 燐の声にとっさに反応するが、身体に受けた衝撃のほうが早かった。
 雪男は左脇を打たれて、木に叩きつけられた。
 意識を失うことはなかったが、背中を強く打ったらしい。
 動こうとして脇と背中に走った痛みに、雪男は息を詰める。

「大丈夫か!」

 燐が雪男に駆け寄ろうとするが、触手に阻まれる。
 苛立った燐は、触手をくぐって強引に前に出た。

「駄目だ、兄さん!」

 それが罠だと気付かずに。

「兄さん、上!!」

 雪男の声に、燐は頭上を見上げる。
 集まった触手が黒い球体になり、燐に振り下ろされるところだった。

「っ!」

 避けられない。
 衝撃を覚悟して、燐は目を閉じた。
 しかし、予想した衝撃は頭上ではなく、右脇からだった。
 ドンと何かに押されて倒れこむ。

「志摩くん!!」

 雪男の声に、元いた場所を見ると、志摩が錫杖を手にして立っていた。

「志摩!」

 駆けつけたときに落ちたのか、転がった懐中電灯が志摩の足元を照らす。
 ピンクの頭からは血が流れていた。燐を助けたときのものだろう。
 さらに、志摩の腰と錫杖には触手が絡み付いていた。

「なんや、けったいなのと戦ってますなぁ、お二人さん」

 じわじわと志摩の身体が悪魔の方に引き寄せられていた。
 志摩は燐を見てにこりと笑う。

「怪我はないやろか、奥村くん」
「おま、俺のことより、自分のっ」

 言葉の途中で、燐がはっとした顔をした。
 志摩を引き寄せる悪魔が、ぱくりと身体…いや、口だと思われる…をあけた。
 虫が嫌いな志摩は当然悲鳴を上げた。

「ひぃいい!何やあれ!!」

 球体の中央に走った亀裂。その上下にびっしりと牙が生えていた。
 志摩を食べようとしているらしい。
 志摩は触手に絡まったまま、身体を仰け反らせた。
 逃げ出そうにも、志摩の錫杖では切れない。

「志摩くん!!!」

 銃声が悪魔の身体を打ち抜いた。
 触手の力が弱まる。
 志摩は雪男の作った好機を逃さず、触手から抜け出すと、悪魔の頭上に飛び上がった。

「仕舞いや」

 振り下ろした錫杖に重い手ごたえを感じる。
 悪魔は、断末魔の悲鳴を上げて消えた。
 同時に、蛾の大群も消滅する。

「志摩」

 着地に成功した志摩を、燐が不安そうに呼ぶ。
 雪男は報告と他の生徒の無事を確認するため、一足先に森の入り口に戻った。

「なんて顔してはりますの、奥村くん」
「だって、お前…」

 燐は眉を寄せ、睨むように志摩を見ている。
 怒っているにしては悲しそうな、何とも判断し難い顔だ。

「怪我はないやろか、奥村くん」

 戦闘中にも尋ねたことを再度訊く。
 カッと開いた目に、「あ。怒ってるんや」と志摩は内心で呟いた。

「俺のことより、お前だろ!」

 志摩は顔を伝う血を袖で乱暴に拭った。
 布が擦れて傷に響いた痛みに顔を顰める。

「何してるんだ!」

 燐は慌てて駆け寄り、怪我を見ようとした。

「大丈夫やって。避けそこなっただけや」

 怒っていると思っていた燐が、志摩の血を見てとたんにしおらしくなってしまう。

「ごめん、な…志摩」
「気にせんでええよ。俺が勝手にしたことや」

 にこりと笑う志摩に、燐は少しだけ顔が熱くなった。
 雪男ほどでないにしても、女子が騒ぐのがわかる気がする。

「奥村くんが怪我するよりずっとええ」
「ばっ!俺だってそんな怪我平気だ!!」

 むしろ、治癒能力の高い燐のほうこそ平気だ。
 志摩は燐のその能力を知っていたから、困ったように言った。

「うーん…でも、好きな子には怪我させたくないやろ」
「す、すすす好きな子って!そういうのは女の子に言うもんだろ!」

 せやから特別に好きな子にゆうてるんやけど、と志摩は心の中で苦笑する。
 一度告白をしたが、どうにも伝わらない。
 じわじわ攻めて行くと決めたのはいいが、あまりの鈍さに心が折れそうだ。

「それより、手当てに行くぞ!」
「ええよ」
「いいわけあるか!」

 燐が志摩の手を引くが、志摩は動かない。

「そないに気になるんやったら、一個、俺の言うこと聞いてくれへん?」
「何だよ」
「燐って、名前で呼んでもええやろか?」

 燐は訝しげな表情をした。

「別に好きに呼んだらいいだろ?」
「おおきに」

 嬉しそうな顔をされて、燐は照れた顔を隠すためにそっぽを向いた。

「へ、変なやつだな!名前で呼びたかったのか?」
「うん。俺、奥村くんともっと仲良うなりたいんや」

 志摩は考える。
 一度目の告白が失敗したのは、同性から告白をされるなんて思ってもみず、燐が友情と勘違いしてしまったということもあるのだろう。
 志摩自身、燐以外の男に告白されるなんて考えたことがない。
 しかし、それ以上に燐自身が恋愛に関して驚くほどに幼い。 
 しえみには淡い恋心を持っているかもしれないが、それが恋として発展するには時間がかかりそうだ。
 燐のしえみに対する不器用なやりとりを思い出して、志摩は小さく笑う。もちろん、燐の小さな恋心を応援してやるつもりなんてさらさらない。

「燐」
「な、なんだよ」

 にっこりと志摩は笑う。

「帰らへん?」

 自分を意識させて、必ずもう一度告白をする。
 隣で志摩の怪我を気遣う燐に、志摩はどうやって攻めようかとこれからのことを考えていた。



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