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 このたびの地震で被災された方には、お見舞い申し上げます。

 テレビ映像を見ると、本当に恐怖でしかないです。
 今も被災地の方は、不自由な生活をされているんですよね。

 一人でも多くの人が救われますよう、また、一日でも早く暖のとれる生活に戻れますよう、 自分には本当にたいしたことができないんですが、とりあえず募金から始めます。




 玄徳さんを書きたくて書いてみましたが…相変わらずの駄作です。
 大丈夫な方はそのままお進みください。
 師匠にも活躍(?)してもらいました。

 ↓
 ↓
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【嫉妬】






 無言が重く響く部屋。

 花は竹簡に走らせる筆をとめて、溜息を吐いた。
 視線を右に移せば、玄徳が花の倍の高さに詰まれた竹簡に目を通している。 
 その彼が、先ほどから口を開かない。
 ただ話さないだけならともかく、なにやら怒っている。
 普段は穏やかな玄徳が理由も話さずに苛立ちを見せるのは珍しい。
 関係のない人間に八つ当たりをする人ではないので、自分が何かしたのだろうかと思うが、花に心当たりはない。

 正直、気まずい。

「…玄徳さん」

 恐る恐る声をかければ、玄徳はちらりと花を見た。

「あの…師匠の手伝いに行こうと思うのですが」

 書き物が終わったわけではないが、玄徳に頼まれた仕事はまだ猶予期間がありそうだ。
 このまま部屋に留まって、仕事に手がつかないよりもいいはずだ。
 玄徳も許可をくれるはず。
 そう考えて、花は腰を浮かせた。

「その仕事は終わったのか?」
「まだですが…、これは明日やろうと思います」
「だめだ」

 え、と花は動きを止めた。

「仕事を途中で放り出すんじゃない。孔明の手伝いもあるだろうが、花には花の仕事があるだろう」

 自分のことを優先しろと玄徳は言う。
 それは正しいのだが、花が未熟な軍師であるため孔明の抱える負担は大きい。
 だから、今までは孔明の手伝いに行けと言われていたのに。

「玄徳さん…?」
「それが終わったら、こっちのも頼む」

 本当に珍しい。
 花は戸惑いながらも、様子のおかしな玄徳に逆らえず、机についた。
 先ほどから、玄徳は花をあまり見ようとしない。
 普段は、二人で過ごす時間こそ少ないが、目が合うとやさしく微笑んでくれていたのに。

「……終わりました」
「ああ。じゃあ、次はこれに目を通してくれ」

 一つが終われば次を頼まれる。
 しかし、どう考えてもどれも急ぎの仕事とは思えない。
 孔明は大丈夫だろうか。詰まれた竹簡が雪崩を起こす場面が浮かんで、花は再度玄徳に声をかける。

「あの、玄徳さん。そろそろ」
「だめだ。お前はこの部屋にいるんだ」

 意味がわからない。
 まるで花をこの部屋から出したくないと言わんばかりだ。
 休憩しようと、お茶に誘っても拒否される。

「失礼します」

 部屋の扉が開いた。
 二人だけの重い空気が少し軽くなった気がして、花はほっと息を吐いた。
 しかし、それは一瞬のことだった。
 部屋に入ってきた人物を見たとたん、玄徳の纏う空気がさらに険しくなった。

「玄徳様、こちらにも目を通してください」
「…ああ。そこに置いといてくれ」

 部屋に入ってきたのは孔明だった。
 いつもならこの時間、孔明を手伝いに行っている花が玄徳と一緒にいるのを見て、孔明の目が驚いたように開く。
 花はそれを困った顔で見つめ返した。

「玄徳様、そろそろボクの弟子を返していただけますか?仕事がたまって仕方がないんです」

 溜息を吐く孔明に、花は申し訳ない気になった。
 やはり孔明の部屋は、散々なことになっているらしい。
 もっと早く玄徳に退室の許可をもらえばよかった。

「花には花の仕事があるだろう」

 玄徳の低く響く声に、孔明はおやという顔になった。
 いつもと様子が違う玄徳に、孔明も気づいたらしい。

「玄徳様?」
「だいたい、お前たちは二人で仕事をしすぎだ」
「花はまだこの世界に不慣れで、一人で仕事を任せるわけにはいきません」

 かといって、手取り足取り教えている暇はない。
 仕事を手伝わせて、花が覚えていくほかはないのだ。

「…先ほど、二人で何をしていた?」

 孔明には珍しく、きょとんとした無防備な表情を見せる。
 それから目を驚きに変えて、玄徳を見つめ返した。

「見られていたのですか?」
「ああ」

 しばらく無言で見つめた後、孔明は花を呼んだ。

「花」
「は、はい!」

 成り行きを見つめていた花は、突然呼ばれて慌てた。

「君から説明するんだよ。ボクは…忙しいからね」
「は?」

 説明とは、何のことだろうか。
 首を傾げる花に、孔明は苦笑する。

「君がこの部屋に来る前のことを玄徳様に話して差し上げて」
「ええ!?」

 孔明は体の向きを変えて部屋を出ようとした。
 出口の近くにいた花の側を通る際に、花の頭を一撫でする。

「まったく…。君と玄徳様が結ばれてただでさえ僕は傷心だというのに」

 ぽつりと呟かれた言葉は、花にはわからないものだった。
 呆然と孔明の背中を見つめると、「花」と名前を呼ばれる。

「玄徳さん?」
「説明をしてくれるんだろう?」

 玄徳の手招きに応じて、花は腰を浮かせた。
 孔明は先ほどのことを話せと言っていた。
 ということは、先ほど花がした失敗のことだろう。

「あの…本当に話すんですか?」

 花が渋ると、玄徳は顔を歪ませた。

「話せないことなのか?」
「そういうわけじゃないんですけど、失敗したことなので、できればあまり話したくないというか…」
「失敗?」

 虚をつかれた顔になって、玄徳の空気が少し和らいだ。
 花は恥ずかしそうに俯くと、小さな声で話し出した。

「ここに来る前、竹簡を運んでいたんですけど、足もとを見ていなくてこけそうになったんです。それを師匠が支えてくれて」
「…孔明が支えた?」
「はい」

 低く問う玄徳に、まずいことを言っただろうかと花は不安になる。
 ちらりと上目で様子を伺うと、玄徳は驚いた顔をして花を見ていた。

「抱き合っていたわけではないんだな」
「はい?」

 玄徳は苦笑した。
 驚く花に手を伸ばし、体を引く。そのまま腕に抱え込んだ。

「…花のことになると、本当に俺は心が狭い」
「玄徳さん?」

 腕の中から見上げると、玄徳は気まずそうな顔をしていた。

「その…さっき、偶然孔明とお前が一緒にいる姿を見たから…勘違いをした」
「勘違い、ですか」
「嫉妬したんだ」

 悪かったと玄徳は言った。
 花はようやく玄徳の不機嫌の理由を知って、顔を赤くした。

「…私が好きなのは、玄徳さんですよ」

 もっと信用してください。

「花のことは信用しているんだがな」

 なにしろ、孔明は十年の片思いだ。本人から気持ちを直接聞いたことはないが、花を見る目が他とは違う。
 初めて会ったのは幼い日のことで、花を仙女のようだと思ったと話していた。
 孔明が本気で花をさらおうと思えば、玄徳の目から一生花を隠すことも可能だろう。
 孔明はその力を持っている。

 思わず花を抱く手に力がこもった。

「玄徳さん、痛い、です」

 苦しそうな声がして、玄徳は慌てて腕の力を緩めた。
 しかし、花を囲う腕は解かずに、花の肩に頭を押し付ける。

「頼むから、俺の側にいてくれ、花」

 狂おしい声に囁かれて、花は息をつめる。

「俺は、もうお前がいないと何もできない気がする」

 そんなことはないと花は思うのだが、玄徳の目は本気だ。
 花は玄徳の頭に手を回した。

「それは私の台詞ですよ。玄徳さんがよければ、私を側においてください」
「なら、一生側にいてくれるか」
「は、はい。玄徳さんが許してくれるなら」

 結婚を想像させる言葉に、免疫のない花は顔を赤くした。
 現代では、先のことだと思っていたことだ。

「…その言葉、絶対忘れてくれるなよ」

 ほっとした表情を見せる玄徳に、花も力が抜ける。
 ようやく玄徳らしくなってきた。

「孔明の手伝いに行ってもいいから、もう少しこのままでいさせてくれ」
「…はい」

 密着した体が恥ずかしくて、心臓の音が聞こえるんじゃないかと花は焦った。
 しかし玄徳はその反応すら愛おしむように花を包みこむ。

 玄徳が約束どおり花を解放したのは、それからすぐのことだった。

 

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