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歴史が好きなしもつきは昨日、博物館に行ってきました♪
当時の青銅器の輝きを再現した銅剣とかあったのですが、数百本そろうと壮観です。
感動しました!!
古代の恋愛事情なんかを映像で見てて、勝手に脳内変換されるのはもう病気です。
不治の病です。
SSの方は、黒羽丸×リクオをアップです
黒羽丸は真面目で奥手なイメージですが、「告白は直球だといいなぁ」なんて願望が詰まったSSですv
前半は黒羽丸が悩んでますが、後半はリクオが振り回されてます。
原型は留めていませんが、好きな歌を聴きながら浮かんだ話なので、タイトルもそのまま
拍手をぽちっとしてくださった皆様、ありがとうございます♪
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屋根の上に、黒い影。
闇に隠れるようにうずくまり、胸を押さえる。
苦しそうな視線は、ぼんやりとした月明かりに向けられて。
「若…」
吐息と一緒に、小さく声が零れた。
【こんなに近くで…】
夜の巡回から帰ると、洗面台で寝起きのリクオとで鉢合わせた。
所々髪がはねた姿で、黒羽丸をぼんやりと見つめる。
「おはようございます、若」
リクオはにっこり笑った。
「おはよう」
笑うと、リクオの目の下の影が濃くなる。
「寝不足ですか?」
黒羽丸が言えば、リクオは目を見開いて。
「よくわかったね」
「………」
わかるに決まっている。
陰からだが、だれよりもリクオのことを見ているのだから。
リクオは隈を隠すように手でこすって、恥ずかしそうにした。
「少し、考え事をしてたからさ…」
「そうですか…。あまりご無理はなさらないでください」
リクオは嬉しそうににっこりした。
「ありがとう。黒羽丸もね」
「え?」
「仕事熱心なのは良いけれど、きちんと休んで。そうだ、これ…」
ごそごそとポケットを探し、大きな飴玉を黒羽丸に差し出す。
「疲れたときには、甘いものがいいから」
リクオが優しいのは、特別なことではないのに。
さりげない優しさが、胸を締め付ける。
「…ありがとうございます、若」
「うん。じゃあ、ボクは準備があるから」
タオルを首に下げて、リクオは学校の準備に向かう。
己の心臓のためには、離れてくれてほっとするような。
しかし、離れがたくて引き止めたいような。
複雑な感情で、黒羽丸はリクオの背中を見送った。
夕方。
薄紫の空を巡回していると、リクオと少女の姿を見かけた。
学校でのことを話しているのだろうか。
所々、二人の声が聞こえてくる。
「あれは…」
少女はたしか、リクオのクラスメイトの家長カナだったか。
リクオは楽しそうにしている。
声を上げて笑ったり、時にはわざと膨れて見せたり。
黒羽丸にはあまり見せない、年相応の表情だ。
リクオがカナに向ける笑顔が、黒羽丸の胸を苦しめる。
身体的な痛みや苦しみなら、いつかはとれて癒されるのに。
黒羽丸は胸を押さえた。
最近はこの仕草が無意識になっている。
出口の見えない痛みが、胸を焼く。
リクオに伝えれば楽になれるのだろうか。
だが、怖いのだ。
伝えたら、今までの関係を壊してしまうのではないか。
リクオが黒羽丸を見てくれなくなるかもしれない。
黒羽丸の目の前で、リクオとカナは手を振って別れた。
「黒羽丸!」
大きな声で呼ばれる。
視線を下にやると、リクオが空に浮かぶ黒羽丸を見上げていた。
「若…」
気付かれているとは思わず、黒羽丸は驚く。
だが、すぐに我にかえって軽く頭を下げた。
「もう見回りしてるの?」
「はい」
カナといる時のリクオの笑顔が頭から放れない。
「そっか。仕事、頑張ってね」
「はい。若もお気をつけて」
「ありがとう」
リクオは手を振って黒羽丸を見送った。
飛ぶのをやめて、リクオの方を振り返りたい衝動をぐっと堪える。
これ以上、リクオの側で無理して笑い続けることはできなかった。
「若は、好きな相手がいるのですか?」
偶然、聞こえてきた声に、黒羽丸は足を止めた。
襖の隙間から覗くと、リクオが俯いている姿が見えた。
「う、うん…」
恥ずかしそうにしている姿はいじらしい。
なのに、黒羽丸は血の気が引くような絶望感を覚えた。
そっと、襖を閉める。
相手のことなんて聞きたくない。
そう思うのに、頭の中には、先日のリクオとカナの姿が浮かぶ。
(やはり、若はあの娘を好いているのだろうな)
泣きたくなる様な重い気持ちを抱えて、黒羽丸は廊下を歩く。
「黒羽丸!」
後から聞こえた声に、黒羽丸は足を止める。
今は、振り向きたくない。
しかし、無視できない声だ。
「…どうされましたか?」
せめて振り向かず、声だけで尋ねた。
声の人物は―――リクオは、そんな黒羽丸の事情など考慮してくれず、黒羽丸の前に回って、顔を覗き込んだ。
黒羽丸の顔を見て、リクオの目が見開く。
そんなに、ひどい顔をしているのだろうか。
「…どうしたの、黒羽丸?」
柔らかそうな手が、黒羽丸の袖を掴む。
「いえ…」
「泣きそうな顔をしてる」
リクオの言葉に、黒羽丸は感情の濁流を抑えることができなくなった。
無駄だとわかっていて。いや、そんなことを考える余裕もなく、口が勝手に開いた。
「若が好きです」
するりと言葉が飛び出す。
リクオはさらに目を大きくして。それから、にこりとした。
「ボクも好きだよ」
すかさず返ってくる言葉に、伝わらないもどかしさを感じる。
しかし覚悟を決めたからには、直球で。
「抱きたいと言っているんです」
リクオはきょとんと目を瞬かせた後、一瞬で頬を上気させた。
それから、泣きそうに顔を歪める。
その顔に、黒羽丸はガラスが壊れる音を聞いた。
(………やはり嫌がらせてしまった)
「すみません。迷惑をおかけしてしまいました」
リクオとの関係を壊してしまった。
これ以上この空気に留まることはできなくて、黒羽丸は足を動かした。
背を向ける黒羽丸は、しかし後から袖を引かれて立ち止まる。
「待って!!迷惑じゃないよ!ただ、は、は、恥ずかしくて…」
その姿は、先程襖の隙間から覗いたのと同じ。
黒羽丸は、リクオの手を逆にとって、己の腕に引き込んだ。
「若を、愛しています」
かぁと首筋まで赤く染まったリクオに、黒羽丸は耳をぺろりと舐めた。
「ぎゃああ!!な、なななな」
言葉にならないリクオは、必死に黒羽丸から離れようとするが、それを叶えてやる気は毛頭ない。
さらに強くリクオを腕に囲う。
「すみません」
あまりにおいしそうだったから、つい…。
言いかけた言葉は、リクオの血管が切れそうになっているので、やめておいた。
「あ、あのさ、ぼ、ボクも、黒羽丸が好きだよ。その…、恋愛感情で」
ぼそぼそとした声に、黒羽丸は嬉しくなって。
「明日、若の学校までお迎えにいきます」
「え?うん」
「一緒に帰りましょう。家長カナとではなくて、自分と」
リクオは不思議そうな顔をしたが、黒羽丸の言葉には素直に頷く。
それがさらに嬉しくて、黒羽丸はリクオをぎゅうっと抱きしめた。