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 この三連休で、しもつきは長崎に行ってきました。
 竜馬人気すげぇ。
 どこのサービスエリアも、雲仙の街中も、お土産はもちろん酒や料理のお品書きまで竜馬の文字が!
 時代の先読みが得意な竜馬さんも、自分の写真が数百年後に酒のパッケージに使われるとは思ってなかったでしょうねぇ。




 あと、アニメのぬら孫を見て間違いに気付いたので、今までのSSを少しだけ修正しています。

 前回に続いて、パロ設定な夜昼SSです。
 補完というか、過去編というか…。
 小さい頃のリクオですが、夜若が別人のように甘いのでご注意をv





 泣き声が聞こえていた。

 

 

 

 

【約束】

 

 

 

 

 

 二人の子供が縁側に並んで座っていた。
 一人は嗚咽をもらし、両手で目をこする栗色の髪の少年。
 もう一人の銀髪の少年は、そんな子供をなだめている。

 彼らはそれぞれ人間と妖怪の子供であった。

「もう泣くなって、リクオ…」
「ひっく…だ、だってぇ…」

 銀髪の少年は、困ったような表情をしている。
 妖怪である彼は、人間を慰める方法を知らない。

「り、リクオは…うぇ…ひっく…」

 彼らは名前をともにリクオという。
 物心ついた頃から側にいて、身体の成長速度こそ違うが、実年齢は同じ。
 名前も、リクオの祖父が可愛い孫に同じものをつけた。
 呼び合うのにとても不便だったが、お互いにそれを嫌だと思ったことはない。

「泣くなよ」
「だ、だって…みんな、君が、いいんだ、って、言ってる…!」

 小さな手を握って、涙の溜まった目を妖怪のリクオに向ける。
 こらえきれない涙が、目から溢れてポロリと零れた。

「泣くなって…」
「それ、ばっかり…」

 再び顔を伏せて泣き始めた人間のリクオに、妖怪のリクオは困りきった顔をする。

「仕方ないだろ…他になんて言えばいいんだよ」

 とにかく泣き止んで欲しくて。笑って欲しくて。
 妖怪のリクオはできる限り優しくしようと思うのに、その方法がわからない。

 栗色の頭に手を回したり、己より一回り小さい背中を撫でてみたり。
 人間のリクオの母である若菜にやってもらっていることを思いつく限りやってみる。

「みんな、きみに、三代目になってほしいんだよ…」

 人間であるリクオは、最大の規模を誇る妖怪任侠一家、奴良組の直系である。
 その祖父である妖怪の総大将ぬらりひょんは、己とそっくりな容姿を持つ妖怪のリクオを拾い、育てた。
 人間と妖怪という種族の違いはあるが、二人のリクオはとても仲が良い。
 しかし、周囲は二人が一緒にいることに、いい顔をしなかった。

 正当な継承者であるリクオは人間で、妖怪をまとめる力がないかも知れない。
 一方、妖怪であるリクオは血のつながりはないとはいえ、妖怪を惹きつける不思議な魅力と人の上に立つ器や力がある。
 奴良組の幹部の妖怪たちの間でも意見が分かれており、人間のリクオを支持するもの、妖怪のリクオを支持するものが拮抗した勢力をもっていた。

 中には、悪意を直接、人間のリクオにぶつける者もいる。
 それが、妖怪のリクオには腹立たしかった。

「…そんなことねぇよ。三代目は、お前のものだ」

 昔から、そこを疑ったことはなかった。
 人間のリクオが率いる百鬼夜行の中に、自分も加わる。
 栗色の頭と小さな背中をすぐ後ろで見つめて、手を伸ばせば触れる位置に立つ。

 彼にとっては、人間のリクオが唯一絶対であり、そのほかの存在に興味はなかった。

「ほら、泣くなって…こするから、目が赤くなってんぞ?」

 ひんやりとした手が、人間のリクオの頬を撫でる。
 水気を多く含む茶色の目が、妖怪のリクオの赤い目を見返す。

「河童がね、言うんだ。リクオって名前も、ボクのものじゃなく、きみのものなんだって」

 そのときのことを思い出したのだろう。
 昼のリクオは目を伏せて、顔を歪めた。
 妖怪のリクオは、内心で舌打ちした。

 明日、河童には報復しようと誓う。

「何言ってんだ。それは俺たちのもんだ……ああ、でも…たしかに紛らわしいな…」

 まん丸の目が、妖怪のリクオを映す。
 飴玉のようだとリクオは思った。

「俺たちの間で呼び方つけるか?」

 いたずらっぽく妖怪のリクオは笑う。

「人間のお前は、昼。妖怪の俺は、夜。どうだ?」
「うん」

 リクオという名前は好きだが、どっちを呼んでいるのかわからない呼び方が嫌だと人間のリクオが泣いたのは、先日のことだ。

『誰もボクをその名前で呼んでくれない』

 おい、とか。お前、とか。
 一方で、妖怪のリクオをリクオ様と呼ぶ幹部が確かに存在した。

「そうだね」

 にこりと弱々しく笑う。
 妖怪のリクオは…夜は、両手を伸ばして栗色の頭を挟み込んだ。
 茶色の目に、己の姿が映るのをじっと見つめた。

「俺が守ってやるから、お前は何も心配しなくていい」

 力がない己が悔しい。
 誰からも傷つけられることのないように、昼を守りたいのに。

「…夜は、強くていいな」
「馬鹿。俺は妖怪で、成長が早いんだから当たり前だろ。昼は、ゆっくり大きくなればいいんだよ」

 夜は、自分以外の存在にこんなにも優しくなれる己に驚く。
 ただひたすら、目の前の存在を甘やかしてみたいと思う。

「それまで守ってやるから。だから、お前の百鬼夜行には俺を一番に入れてくれよ?」

 昼の飴玉のような茶色の目が大きく見開く。
 それから、ゆっくりと笑みが広がった。

「うん!」

 

 

 指きりげんまんで約束した、幼い日の約束。


 

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文字書き。まんが。
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こんにちは、しもつきです。

最近ぬら孫にハマり、リクオ受(特に昼若を愛でています)なSSを書き散らしています。
たまに、サイトでUPしたREBORNとかBLEACHの後日談的な話が出現しますv
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