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 最後は難産でしたが、なんとか巴紋4をアップできました!
 無理やりな感じがありますが、一応これで完結ですv
 今まで、見てくださった方、ありがとうございます。

 今度は、別の設定で続き物を書いてみたいです

 そして、kira様。コメントありがとうございます!!
 巴紋は私には珍しくそれぞれの視点で書いてみたのですが、そう言っていただけると、別々の視点にした効果があったのかなと思って嬉しいです♪これからも細々と、夜昼SSを広めていきたいと思います(笑



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 夜のリクオが最近散歩をしなくなった。
 というのも、夢の狭間の世界で昼のリクオと会っているからだ。

 特別な話をするわけではない。
 ただ、側にいて静かな時間の流れを感じるだけ。

 夜のリクオは、過剰に昼のリクオに触りたがった。

 

 

 

 


【巴紋4 ―三つ巴―】

 

 

 

 


 ふぁとリクオは欠伸をした。

 鴆の屋敷。
 畳に座るリクオに、鴆は苦笑して手を伸ばす。

「どうした?眠そうだな」

 頭に置かれた手に、リクオは目を細めた。
 近づいた距離に、鴆の持つ独特のにおいが強くなる。
 薬を扱う鴆ならではのにおい。

「鴆くん…胸に効く薬ってないの?」
「あ?」

 鴆はリクオの顔を両手で掬い上げた。
 顔色、呼吸、体温をざっと診る。

「調子が悪いのか?」
「…時々、胸が痛いんだ」

 最初は、鴆が好きなのだと思った。
 しかし、強く想えば想うほど、痛みは強くなって。
 好きという感情からくる痛みとは違う気がした。

「痛ぇのは…」

 リクオは顔を上げ、そして目を見開いた。
 鴆が痛みを堪えるような、不安そうな、何ともいえない顔をしている。
 
「痛ぇのは、オレといるときか?」
「え?」

 リクオはぱちりと目を瞬かせた。
 その反応に、鴆は苦い顔をする。

「リクオはオレといると苦しいか?」
「そんなことはないよ!」

 ちくん。
 心臓を針で刺すような痛みがはしる。

「リクオ…、その痛みは薬じゃ治らねぇよ」
「そっか」

 リクオだって、ちゃんとわかっている。
 この痛みが、病気によるものでないことくらいは。

 たぶん、夜のリクオの感情に影響されているのだろう。

「原因に心当たりがある。治す方法も、知らねぇわけじゃねぇ」

 リクオは、両腕を組んだ鴆を見上げた。

「治せるの?」

 鴆は一瞬言葉に詰まった。

「対処法を知ってるだけだ。でも、オメエがオレのことを嫌いじゃないなら教えねぇ」

 何のことはない。
 ただ、鴆とリクオが会わなければいいだけの話。
 完治には至らない、応急処置。

「なら、いいよ」
「リクオ?」
「ボクは鴆くんが好きだから、聞かない」

 直後、鋭い痛みがリクオを襲う。
 常にない痛みに、リクオは胸を押さえて耐えようとしたが、今回はなかなか治まらない。

 心の中で片割れに呼びかけるが、それに応答があったことなど今までなく。

「リクオ!?」

 鴆の焦った声がする。
 大丈夫だ、心配するなと言いたいのに、痛みで息が詰まる。

「しっかりしろ!!」

 鴆の力強い声を聞きながら、リクオの意識は遠のいた。

 

 

 深い闇に落ちていくリクオは、銀色が近づいて来るのを見た。

 ――――夜の、ボク…。
 ――――わかってる。心配すんな。

 人格が入れかわる瞬間。
 夜のリクオは、ぽんとリクオの頭を軽く叩いた。

 

 

 鴆の腕の中がしだいに重くなっていく。
 それに合わせて、腕の中の人間の容姿が変化していった。
 短かった髪は長く伸び、茶髪から銀髪へ。

「………」

 開いた目は、鴆の予想通り赤かった。

「悪いな、鴆」

 畳に手をつき起き上がった夜のリクオは、軽く頭を振った。

「まだ、夜じゃねぇぜ」
「わかってる。リクオが…昼のオレが限界だったからな」

 痛みに耐え切れず意識が遠のいた昼のリクオの変わりに入れ替わったのだと言う。
 本来の活動時間ではないせいか、夜のリクオは本調子ではなさそうだった。

「大丈夫か?無理して入れ替わったんだろ?」
「たいしたことねぇよ」

 昼だろうと夜だろうと、リクオは強がりで頑固だ。
 体調が悪いなど認めようとはしない。

 わかっていても尋ねてしまう。鴆は嘆息した。
 
「鴆…」
「あ?」

 ぐっと夜のリクオは口を結んだ。

 珍しい。夜のリクオが言いよどむなど。

「どうした?」

 だから、鴆の方から促してやった。

「オレは、アイツが好きだ…」

 アイツというのがすぐに誰のことかわかって、鴆は頷いた。

「ああ、知ってる」
「アイツが自覚するまでは…って、思ってた」
「………」

 夜のリクオは、ぐっと拳に力を込めた。

「諦めきれねぇ…が、どうやってもオレではあいつを幸せにすることなんざできねぇんだからな」

 気持ちの問題だけではない。
 人格が違うと言っても、元は同じ人物で。
 二人が会えるのも、夢の中だけ。
 けれども、リクオが生きているのは、現実の世界なのだ。

「オレができるのは、あいつを守ってやることだけ」

 本来、そのために夜のリクオは生まれた。

「リクオ…」

 同情しているつもりはなかったが、鴆は目の前の男が悲しくて仕方なかった。
 しかし、次の瞬間リクオの顔には悲観の色はなくて。

「そういう意味においては、誰よりも…お前よりもオレは、アイツに近い存在なんだ」

 一瞬、鴆の目に炎が宿るのを見て、夜のリクオは笑った。

「怒るな、鴆」
「別に怒ってねぇよ。昼のリクオは俺に心を寄せてんだ」

 今度は、リクオの目に怒りに似た感情が宿る。
 鴆はしてやったりという顔になった。

 しばらく無言で睨みあったあと、二人はふっと表情を崩した。

「いがみ合ってもしかたねぇ。鴆、」
「なんだ」

 夜のリクオは、鴆を見据えて言った。

「あいつを泣かせたら、承知しねぇからな」
「………怖いねぇ」

 しかし、鴆が夜のリクオを見る目は負けておらず。

「大事にする。お前は、中から見てるんだな」
「…そうだな」

 そうして、二人は酒を飲み交わした。

 義兄弟というのは、固い約束を結んだ同志のことだという。
 夜のリクオとの関係は、まさにその通りだと鴆は思った。

 

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たまに、サイトでUPしたREBORNとかBLEACHの後日談的な話が出現しますv
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