2009.05.02
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しげおさんが鰤に一点あっぷしてくれました♪
【あまい誘惑】
しげおさんと遊郭パロの話で盛り上がった時からのネタなんですが…ちゃんと調べてないので、いろいろ変なところがあるはずです。が、心広くして見てやって頂けると嬉しいです。
一応、続きでいくつか考えてるのでシリーズです。
続く…といいいな。
てか、貢物に困る一護とか、浮竹さんの膝枕とか、いろいろ書きたいものを詰め込みました!
タイトルほど甘くなくてすみませんっ!!
おまけ…?
一護が目を覚ましたのは、夕刻だった。
浮竹の着物がかけられていることに気づき、慌てて周囲を見回すが持ち主の姿はない。
「寝過ぎだ、俺…」
見送りもせずにいたから、おかあさんに叱られるだろう。
浮竹なら、笑って許すだろうが。
「にしても…客に癒されるって、どうだよ、俺…」
これじゃあ、どちらが客かわかったもんじゃない。
とりあえず、着物を畳んでおかなければ。
着物を掴むと、ふわりと甘い香り。
「菓子屋の若旦那だもんな」
甘いもの好きな一護にはたまらない匂いだ。
その香りに誘われて、着物に顔を埋める。
「一護ぉ~、そろそろ起きて…」
はっと入口の方を見たときには遅かった。
遊女の一人がニマニマしながら一護を見ている。
「一護ったら、若旦那の着物握りしめて…恋しいのね!」
「や、ちがっ」
即座に否定するが、恋愛が絡むと女の行動は素早い。
一護に否定する時間も与えず、「おかあさ~ん!!」と嬉々とした声が階段を下りていく。
「くそっ、また何か言われる…」
からかわれるに違いない。
一護は大きく溜息を吐いて寝ころんだ。
「今度、団子でも買いに行ってみるか…」
いつも贈り物をもらっている身には、罪悪感だけが募る。
浮竹は一護を甘やかしすぎる。
遊女のように身体を預けることもできないのに。
だからせめて、少しくらいのお返しはしよう。
浮竹なら、たぶん、喜んでくれる、はず。
「一護、ようやくその気にっ!!」
スパーンと開かれた障子に、一護は飛び起きる。
「おかあさんっ!!」
驚く一護の両手を取って、女主人はうんうんと頷く。
ない涙を拭うしぐさが演技くさい。
「あたしは常々浮竹様に申し訳なく思ってたんだよ。あんなにあんたのことを好いてくださっているってのに、あんたはいっつもそっけない態度だし」
切々と語る女主人に、一護は弱り切った顔になる。
「だから、姉さんの言ったことは誤解なんだって!」
「男の着物を抱きしめて笑うのを、どう誤解だというんだいっ!!」
女主人がキッと顔を上げる。
「いや、だから…浮竹さんの着物ってお菓子の匂いがするから、つい…」
子供のような理由なのが恥ずかしいのか、一護は赤くなって説明した。
女主人が大きく溜息を吐いた。
「そうかい…これを機に床入りまでこぎつけようと思ったんだけどねぇ」
「ととと床入りとか、むむむむ無理っ、無理!!!」
残念そうに言う女主人に、一護は全力で拒んだ。
「まぁ、いいよ。早く夜見世の手伝いに行きな」
「ああ」
一護は立ち上がって部屋を出た。
「だけど…まんざらでもないんだねぇ、一護」
床入りの話はともかく、一護が浮竹に好意を感じていることは確かなようだ。
残された浮竹の着物を畳んで、女主人は呟いた。
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