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しげおさんが、novelにSSを一点あっぷしてくれました♪

【その涙をぬぐうのは】(風VS雲→ツナ)
動画で風ツナ絵を見つけた勢いで、おまけを作ってみましたv

 



 綱吉が自宅に帰ってきたとき、風は綱吉の部屋で雑誌を読んでいた。

「おかえりなさい、綱吉くん」
「ただいま…風さん、ずっとこの部屋にいたんですか」

 上着を脱ぎ、綱吉は風の方を振り返る。

「ええ。きみが帰ってくるだろうと思って」

 綱吉は照れたような表情を浮かべた。
 ふと、風の長く垂らした長髪が目に入る。

「風さん、髪…取れかかってますよ?」

 綱吉は風のためにコーヒーを入れ、それを机の上において、背後に回った。
 風の長髪を手に取る。
 編み込んだ先のゴムが緩んでいた。

「ゴム、とってもいいですか?」
「いいですよ」

 綱吉は、黒髪からするりとゴムを抜く。
 思ったより癖がついていなかった。

「風さんも、まっすぐな黒髪なんですね」

 長髪を指に絡めると、さらりと流れる。
 雲雀の髪質と同じ。

「羨ましいな…」

 綱吉は、風の髪を緩く編みなおす。
 上手いとは言えないが、なんとかできた。

「私は、綱吉くんのふわふわの髪も好きですよ」
「ひよこみたいって言うんでしょ!」

 雲雀に散々からかわれてきた。
 それは褒め言葉ではないと、綱吉は頬を膨らませた。

「キャラメルのように柔らかくて甘い色です」
「キャラメル…」
「嫌でしたか?」

 ううん、と綱吉は首を振った。

「嬉しいです。俺、自分の髪嫌いだから」

 照れた表情を浮かべる綱吉を、風はぐいと引き寄せた。

「うわっ」

 バランスを崩した綱吉が、床に倒れ込む。
 しかし床との直撃の前に、風が綱吉の身体を抱きとめ、胸に引いた。

「風さん?」

 風は綱吉の頭に頬を寄せた。

「私は好きですよ、きみの髪」

 こめかみに口づける風に赤面する。

(どうしてこの人は…)

 雲雀と同じ顔をして、甘い態度をとるそのギャップに、綱吉はいまだに慣れなかった。

「…ありがとうございます」

 綱吉が礼を言うと、風は綱吉をさらに強く抱き込んだ。
 背後から腕を回され、頬に風の頭が触れる。
 雲雀も好んで綱吉を背後から抱き締める。

「やっぱり、顔が似てると、行動も似るんですかね?」
「は?」
「や…、雲雀さんも風さんと同じ態勢が好きみたいです」

 綱吉の言葉に風は目を見開き、少しだけ笑った。

「似るのかもしれませんね」

 仕方がないというように溜息を吐いて、風は立ち上がる。

「また、会いましょう」

 風が飛び降りた窓からは、ひと足早い春風が入り込んでいた。
 











 最後になりましたが、拍手ぽちっとありがとうございます。

 

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こんにちは、しもつきです。

最近ぬら孫にハマり、リクオ受(特に昼若を愛でています)なSSを書き散らしています。
たまに、サイトでUPしたREBORNとかBLEACHの後日談的な話が出現しますv
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